とうもろこしの栄養

とうもろこしの栄養

とうもろこしは実はおいしいだけじゃないのです。身体のエネルギーになる炭水化物を主として、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEなどのビタミン群、リノール酸、食物繊維、そしてカルシウム、マグネシウムなどの各種ミネラルをバランスよく含んでいる栄養豊富な食品なのです。

とくに、食物繊維の量は他の野菜や穀類と比べても、多くふくまれている食品のひとつといえます。栄養素は胚芽部分に多くありますので、まるごとおいしくいただきましょう。


各栄養素の役割

とうもろこしに含まれる主要な栄養素と、その働きについてご紹介していきます。

炭水化物(糖質)

炭水化物は私たちの身体のエネルギー源となる非常に重要な栄養素です。脳のエネルギー源にもなりますので、体を動かすだけじゃなく、頭を動かす際にも必要な栄養です。このエネルギー源が不足してしまうと、思考力が低下したり、疲労感を感じたりしてしまいます。

また、炭水化物の役割はエネルギー源としてだけでなく、体を作っていく材料としての役割もあり、まさに私たちの生活にとって必要不可欠な栄養であると言えます。

ビタミンB1

健康な食生活ビタミンB1は、糖分をエネルギーに分解する酵素を助ける役割があります。ビタミンB1を摂取することで、身体にエネルギーを効率よくまわすことができます。

ビタミンB1が不足すると、肩こり、足のだるさ、手足のしびれなどが現れる場合があり、ひどい症状になると「脚気(かっけ)」を引き起こす原因にもなります。また、糖分は私たちの脳の重要な燃料源となるので、ビタミンB1不足により脳にエネルギーがまわらなくなり、イライラや記憶力の低下、注意力の低下などが現れることもあります。ビタミンB1の摂取はそれら症状の抑制にも役立つといえるでしょう。

とくに激しい運動をする方、糖分の多いジュースなどをよく飲む方はビタミンB1が多く消費され、必要な量もその分多くなります。身体の中に貯めておける量は少ないですが、過剰に摂取しても無害なものなので、常に補給しておきたい栄養素のひとつです。

ビタミンB2

ビタミンB2は身体の新陳代謝を助ける栄養素で、特に皮膚や粘膜などの健康維持やエネルギーの代謝を助ける栄養素といわれています。ビタミンB2を摂取することで、私たちの身体の健康状態を保つのに役立ちます。

役割を細かく説明すると、糖質・脂肪・たんぱく質の分解・合成、赤血球の形成や抗体の生産、などがあり、また発育時の正常な成長を助ける栄養素です。とくに脂肪からのエネルギー生産に多くのビタミンB2が必要といわれています。

ビタミンB2が不足してしまうと、口内炎や、皮膚の炎症を引き起こしてしまう場合もありますので注意が必要です。また、眼の充血や疲労、乾燥、かゆみなどの改善に役立つとも言われており、過剰に摂取したとしても、体外に排出されるため問題ありませんので、積極的に摂取したい栄養素だといえるでしょう。

ビタミンE

ビタミンビタミンEは強い抗酸化作用をもっており、細胞や身体の組織を活性酸素からまもる役割を持つ栄養素です。

活性酸素は非常に酸化しやすい性質をもっており、場合によっては私たちの身体を傷つけてしまうことがあります。細胞を活性酸素から護ることでがんの予防につながり、赤血球をまもる事で貧血の要望にもなります。

活性酸素は悪玉コレステロール(LDL)と結びついて血行を悪くしてしまうこともあります。ビタミンEの摂取は血行改善にもつながり、血圧を下げる働きもあり、血行をよくすることで、しみ・しわなどのお肌のトラブルの予防につながります。また、ホルモン分泌異常によって引き起こる様々な症状の予防にもビタミンEは役立ちます。

ビタミンEは食べ物から取り込んだ分の多くが排出されてしまうため、日々摂取したい栄養素です。

リノール酸

リノール酸は私たちの体内で合成することができない必須脂肪酸のひとつです。そのため、食事から摂取することが必要な栄養素です。

リノール酸には血中コレステロール値や中性脂肪値を抑える働きがあり、高血圧や動脈硬化を抑制するため、生活習慣病の予防にも優れた効果があるといわれています。

但し、リノール酸は過剰に摂取しすぎるとアレルギー症状の悪化につながるともいわれていますが、逆にリノール酸を含む必須脂肪酸が不足し過ぎると、髪のパサつきや抜け毛、傷の治り遅くなるということが引き起こされてしまう場合がありますので、ビタミンB2など一緒にバランスよく、適度な摂取を心がけるようにしましょう。

食物繊維

食物繊維食物繊維は私たちの体内では消化されない食べ物の中にある成分のことを指します。直接私たちのカラダやエネルギーとなるわけではありませんが、排泄の促進、有害ミネラル排出などの効果があります。

他にも、血中コレステロール・悪玉菌の増殖抑制、血糖値の急激な上昇を抑えるなどの作用があり、糖尿病、肥満や高血圧などに役立つものと考えられています。さらには、腸内環境を整えることで、大腸がんの予防が期待されるともいわれており、私たちにとってとても重要な栄養素となっています。

各種ミネラル

各種ミネラルとしまして、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄分のはたらきを紹介します。

カルシウム:骨の主成分になるカルシウムは、脳や筋肉の活動にも関係していて、私たち人間の必須成分といわれています。

マグネシウム:たんぱく質の合成や、エネルギーの代謝に必要なマグネシウムは、心臓病の予防にも関係しているといわれています。

カリウム:カリウムは細胞内外のイオンバランスを調整し、カラダの健康を保つ役割があります。また、ナトリウムとバランスよくとることで、生活習慣病の予防や、「むくみ」の防止にもつながります。

鉄分:鉄分は大部分が血液中の赤血球の中にあり、肺から吸い込んだ酸素を体中に運ぶ役割をしています。そのため、鉄分摂取は貧血予防に効果があります。