とうもろこしは今や世界中で生産、流通し、国を越えて飛びまわる作物となりました。どこの国で多く作られ、どこの国で多く消費されているのでしょうか?現在のワールドワイドでインターナショナルなとうもろこしを紹介します。
近年、世界では7億トン超のとうもろこしが生産されています。世界の代表的な穀物である小麦が約6億トン、お米が約4億トンですので、とうもろこしの生産量はそれよりも多いのです。しかも近年、とうもろこし生産量は大きく増加している傾向にあるようです。
生産量全体のうち約3分の1が私たちの食べ物として利用されているといわれていますので、およそ2億トンが世界中でとうもろこしが食べられていることになります。では、現在、世界のとうもろこしはどこでつくられて、だれが消費しているのでしょうか。世界のとうもろこしの主要な生産国、消費国、輸入国、輸出国についてご紹介していきます。
とうもろこしの生産
2007年から2008年のアメリカのデータでは、とうもろこしの年間生産量は7億7千万トンとなっています。そのうちのなんと4割以上がアメリカで作られています。広大な国土と栽培地域を持つアメリカは、まさにとうもろこし生産の世界最大国といっていいでしょう。同時にアメリカは消費、輸出ともに世界の第1位となっています。
とうもろこしの主要な生産国は、アメリカに続いて、2位が中国で約18%、3位がブラジルで約7%となっています。その他の生産国につきましては、下のグラフをご覧ください。
とうもろこしの消費
近年、世界では7億トン以上ものとうもろこしが消費されています。とうもろこしの世界消費量は、生産国としても世界最大だったアメリカは消費国としても世界最大です。
とうもろこしの主要な消費国は、1位がアメリカで約34%、2位が中国で約19%、3位がヨーロッパ連合で約8%となっています。そして日本がなんと消費国の6位にはいっております。世界全体の約2%、1億6千万トンものとうもろこしが日本で消費されています。日本は世界の中でもとうもろこしが好きな国なのかもしれませんね。
その他の消費国につきましては、下のグラフをご覧ください。
とうもろこしの輸出
世界のとうもろこしの輸出についてですが、こちらも生産国、消費国として最大のシェアを誇るアメリカが第1位の輸出国です。特に輸出量については世界全体に占める割合が多く、とうもろこし輸出の6割以上がアメリカからのものになります。つまり、アメリカのとうもろこし生産地域の天候や環境によって、世界のとうもろこしの価格が左右されるといってもいいでしょう。それゆえ、近年、病気や害虫に強い「遺伝子組換え」品種も広がってきています。
とうもろこしの主要な輸出国は、1位がアメリカで約65%、2位が南米のアルゼンチンで約15%、3位がブラジルで約11%となっています。4位のパラグアイまで含めますと、上位4ヵ国、90%以上が南北アメリカ大陸からの輸出となっています。さすがはとうもろこしのふるさとですね。その他の輸出国につきましては、下のグラフをご覧ください。
とうもろこしの輸入
とうもろこしの輸入について、生産国、消費国、輸出国の第1位はアメリカでしたが、輸入国の第1位はどこなのでしょうか?実は世界のとうもろこし輸入国第1位は日本なのです。現在は全体の生産量、輸出量が増え、他の国々でも多く輸入されるようになったため、割合は少なくなっていますが、一時期は全体の約5分の1が日本への輸入となっていました。そして、日本のとうもろこしの9割以上がアメリカからの輸入に頼っています。
世界全体からの割合は減少しましたが、輸入している量はあまり変わっておらず、平均して約1600万トンとなっています。ここで消費量も1600万トンだってことを思い出すと、日本で消費されているとうもろこしのほとんどが輸入されたものということになります。ただし、輸入されたとうもろこしは主に飼料用、工業用に使用するものです。
とうもろこしの主要な輸入国は、1位が日本で約17%、2位がヨーロッパ連合で約12%、3位がメキシコで約10%となっています。その他の輸出国につきましては、下のグラフをご覧ください。
日本のとうもろこしの消費は大部分を輸入に頼っているというお話をしましたが、日本でもとうもろこしは栽培されています。私たちが普段食べているスイートコーンは、国内でも年間約20万トン前後が収穫されています。
日本のとうもろこしの生産、出荷量の第1位は、なんといっても北海道です。豊かな大地をもつ北海道は、国内最大の作付面積を有しており、他の都道府県と比べても群を抜いた収穫量・出荷量を誇っています。
平成18年の農林水産省のデータをもとにしました国内のスイートコーンの出荷量とその割合のグラフを以下に示します。年間出荷量の第1位が北海道で、全体の半分以上の割合を占めています。北海道の出荷量は9万トンとなっており、第2位が千葉県で約1万4500トン、第3位が茨城県で8500トンとなっています。